<コラム> 1章/全10章
 
◆ある八百屋の物語
 
  ある商店街の八百屋の主人はいつも元気いっぱい、サービス精神
  旺盛です。
  土曜日も夕方、明日は休みなので半額セール中です。
  そこに仕事帰り風の女性が買い物に来ました。
  
   「すみません、トマト一山ください。」
   
     「いらっしゃい!お姉さん綺麗だから、サービスで
        もう一山つけちゃうよ!」
        
   「え?!いえ、そんなには…」
   
     「いいからいいから、持ってっちゃって!まいどあり~!」
 
   ・・・その女性は、二度と来なくなりました。

 

 【Q】 主人は「サービス」したはずなのですが、顧客を一人失って
    しまいました。何故でしょう?

 

◆一人暮らしA子の物語
 
  A子は社会人3年目。毎日仕事に追われる日々です。
  今日は土曜日。久しぶりに近所の商店街にやってきました。
  『たまには料理でもしようかな。
  でも平日はめったに食べられないから食材は土日に食べきれる
  程度にして…。』
  ちょうど半額セール中のトマトをみつけました。
  一山だけ買うつもりが、八百屋の主人に押し付けられて二山持って
  帰らされることになりました。
  予想通り、トマトは余ってしまい、最後は腐って捨ててしまいました。
  『あーーーーーもう!あのお店には絶対行かない!!!』

 

 【A】 A子にとって追加のトマトはたとえタダでも価値はありませんでした。
    お客様は「価値がある」と思うからこそ対価を支払うという図式が
    ビジネスの根本です。
    ビジネスにおいて「サービス」とは、対価をいただけるほどに
    価値があることです。
 
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 <自己紹介>
   日本クイント株式会社
   代表取締役 最上 千佳子
   
   ITSM、リーンIT、ソーシングガバナンス等、ITをマネジメント
   という観点から強化しビジネスの成功に貢献するための、
   人材育成と組織強化のコンサルティングに従事。
   参考:「資格Zine」連載(http://shikakuzine.jp/author/15)
   
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