◆ある八百屋の物語(3)
「八百屋のスムージー」がヒットして商売繁盛の八百屋の主人は、未だに昔と同じ悩みを持っていました。
毎週、野菜や果物が結構売れ残るのです。
日によっては客足が悪く売れ残ってしまうことがあります。
また、日によっては急に大量のお客様が来店されて、売り切れになってしまうこともあります。
「どうすれば、来店者数ちょうどの仕入れができるんだろう…。」
そんな悩みにヒントをくれたのが、やはり娘でした。
「ちょうどの仕入れなんでできないわよ。でも、ある程度予測はできるでしょ?
例えば、土日は多いとか、雨の日は少ないとか、気温の違いとか・・・。どうなの?」
八百屋の主人は答えられませんでした。
店の切り盛りとスムージーを作るのに一所懸命で、そんな視点で考えたことがなかったのです。
「じゃあ、そこから始めなきゃね。
どんな観点で分析したいか・・・平たく言えば、来客数や注文の種類の違いにどんな傾向があるか、
何が原因になりそうか、思いつくだけ挙げてみて。そのデータをどうやったら集められるかを考えて。
あ、パソコンの使い方も少しは覚えなきゃね。」
~解説~
“Visual Management”(「見える化」)の始まりです。見える化は、あらゆるマネジメントの基礎です。
但し、何でも数値化すればよいというのではなく、「何をどう管理したいか」を元に、集めるべきデータを設計するところから始めることがポイントとなります。
------------------------------------
<自己紹介>
日本クイント株式会社
代表取締役 最上 千佳子
ITSM、リーンIT、ソーシングガバナンス等、ITをマネジメント
という観点から強化しビジネスの成功に貢献するための、
人材育成と組織強化のコンサルティングに従事。
参考:「資格Zine」連載(http://shikakuzine.jp/author/15)
※ITIL(R)は AXELOS Limited の登録商標であり、
AXELOS Limitedの許可のもとに使用されています。
すべての権利は留保されています。