◆ある八百屋の物語(6)
スムージーチェーンのIT活用は進んできましたが、IT担当者が相変わらず技術者の域を出ないのが悩みどころです。
「昨年導入した物流管理システムの投資対効果を算出したい。かかったコストを教えてくれ。」
→「導入費用はSIベンダーのA社に支払った金額ですね。あと、年間の保守費用。」
「運用コストは?」
→「IT部門のメンバー8人で1年間運用しています。」
「そうではなくて物流管理システムを維持管理するのにかかった運用費用は?」
→「他のシステムも一緒に管理しているので、物流だけなんて割り出せませんよ。」
「トラブル対応にかかっている時間は?」
→「とにかく大変です。みんなかなり残業しています。」
「どんな種類のトラブルが多いんだ?」
→「時間が無くてそこまで洗い出せていません。」
「スマホで予約や注文ができるようにしたいのだが…」
→「無理ですよ。その前に人を増やしてください!」
~解説~
トラブルに追われ、開発に追われ…時間に追われている原因の一つは客観的な目線が無いことです。
残業の原因は設定ミス一か所かもしれません。そもそも無駄に運用コストのかかるシステムを維持するよりクラウドに切り替えて、他の事に時間を費やした方がよいかもしれません。
これらの判断のためには、数字を集め活用するための仕組み作りが必要です。ITSM(ITサービスマネジメント)がその解の一つです。
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<自己紹介>
日本クイント株式会社
代表取締役 最上 千佳子
ITSM、リーンIT、ソーシングガバナンス等、ITをマネジメント
という観点から強化しビジネスの成功に貢献するための、
人材育成と組織強化のコンサルティングに従事。
参考:「資格Zine」連載(http://shikakuzine.jp/author/15)
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