ー最近噂のバイモーダルとは?(後編)ー

  
「バイモーダルとは、モード1とモード2という2つの働き方のモードの両方をうまく使いこなすこと」だと前回紹介しました。

 
この2つのモードを、モード1 = SOR、モード2 = SOE と言い換えて表現されることが多いのですが、その本質について紹介しましょう。
  
SORとSOEという言葉は、Geoffrey A. Moore氏がその著書「キャズム(原題:Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customers)にて提唱したものであり、

システムをその目的に応じて2つに分ける表現方法です。

 
SOR (Systems Of Record) のRecordは「記録」です。

 
従来のシステムのほとんどがこの目的のために作られて来ました。
企業内のデータを記録し、安定的に業務を遂行することを目的としたシステムであり、基幹系システムがその良い例です。
  
SOE (Systems Of Engagement) の Engagement は、

本来は「契約、約束、関わり」という意味でしたが、最近ビジネスの文脈では「愛着、絆、関係の深まり、繋がり」というような意味で使用されます。
つまり、ユーザー同士や企業間やBtoCを繋げ、その関係を深めていくような目的で使用するシステム、という意味になります。
SNSやオンラインでリアルタイムにやり取りをするゲームなどはその例と言えるでしょう。

 
そして、このようなシステムとサービスは、基本的に、一秒でも早くリリースする(マーケットに出す)ことが求められます。
更に、マーケットのニーズに合わせてどんどん改良を重ねていくアジャイルな開発を求められます。
 
このような理由から、SORはモード1で、SOEはモード2で対応することが多いだろう、と言えることが納得できると思います。

 

 
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 <自己紹介>
   日本クイント株式会社
   代表取締役 最上 千佳子
   
   ITSM、リーンIT、ソーシングガバナンス等、ITをマネジメント
   という観点から強化しビジネスの成功に貢献するための、
   人材育成と組織強化のコンサルティングに従事。
   参考:「資格Zine」連載(http://shikakuzine.jp/author/15)
   
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