
サービスインテグレーション その3
SIAM(Service Integration And Management)の考え方の中で重要な(中心的な)位置付けとなる役割が「サービスインテグレータ」です。
複数のサービスをインテグレート(統合)し、高い価値をお客様に提供する役割となります。
これに似た言葉として従来からあるのが「システムインテグレータ」です。(SIerと表現されることが多いでしょう。)
複数のシステムを統合し、
一つの価値あるソリューションとしてお客様に提供する役割と言えます。
システムインテグレータの中には、実質的にサービスインテグレータとしての働きをしている人や組織もありますが、
言葉として正式に定義されたのは今回が初めてです。
システムとサービスでは、どのような違いがあるのでしょうか。
Wikipediaでは「システムインテグレータ」を次のように定義しています。
「個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、
それぞれの機能が正しく働くように完成させる『システムインテグレーション』を行う企業のことである。」
SIerと聞くと、ハードウェアやソフトウェア、それらをつなぐネットワークを含めたシステム(仕組み)を統合し、
一つのソリューションを提供する、つまり構築や開発を行う企業をイメージする方が多いのではないでしょうか。
(上記の定義の「正しく働くように」というのは構築や開発だけではなく、運用や改善も含まれるのですが、
そこまでできているかどうかは企業や組織や人によって大きなばらつきがあるのが実状です。)
これに対して、サービスはより範囲が広くなります。
戦略~設計~構築~運用~改善という、サービスに価値がなくなり終了するまでの半永久的な活動が全て対象となります。
各組織(企業内の情報システム部門も情報システム子会社もIT企業もクラウド企業も)がこれらのサービスを提供していることが前提で、
それらを統合的にまとめていくのがサービスインテグレータである、という考え方です。
※SIAM is a Registered Trademark of EXIN Holding B.V.
EXIN is a Registered Trademark
ITILis a Registered Trademark of AXELOS limited.
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<自己紹介>
日本クイント株式会社
代表取締役 最上 千佳子
ITSM、リーンIT、ソーシングガバナンス等、ITをマネジメント
という観点から強化しビジネスの成功に貢献するための、
人材育成と組織強化のコンサルティングに従事。
参考:「資格Zine」連載(http://shikakuzine.jp/author/15)
※ITIL(R)は AXELOS Limited の登録商標であり、
AXELOS Limitedの許可のもとに使用されています。
すべての権利は留保されています。